生命の尊厳を突きつける ドキュメンタリー映画『袴田巖 夢の間の世の中』多摩地域で自主上映
このブログでもご紹介した冤罪被害者の袴田巖[はかまた いわお]さんのドキュメンタリー映画『袴田巖 夢の間[ま]の世の中』が、今月17日から東京の多摩地域で自主上映が開始されます。
2014年3月に再審が決定し、48年ぶりに釈放された袴田巖さんは、姉の秀子さんと共に暮らし始めます。 その日常が、淡々とうつしとられています。
私は、厚木市の映画館で上映された際にこの映画を観ましたが、感動の余韻がじわじわと後になっても響く作品でした。
長年、獄中で自由を奪われていた巖さんは、拘禁反応という精神の病に侵され、釈放後まもない巖さんは、表情もなく、自分のつくった世界に閉じこもっているようでした。
しかし、秀子さんと共に暮らすうちに、少しずつその表情に変化があらわれ、言動や行動にも変化が及んでいきます。
いつも明るく、巖さんの全てを受けいれて観守っている秀子さんの姿から、巖さんを救い、守るために、半世紀もかけて闘い続けていらっしゃることの凄さと、明るく生きる秀子さんの生き方の尊さを感じずにはいられませんでした。
穏やかな日常生活の合間合間に、巖さんが収監中に書かれた文章が、詩のようにスクリーンに映されると、巖さんの人生の厳しい現実へとぐっと意識が引き戻されます。
お二人の日常のあたたかさを感じる一方、巖さんの想いと生命の尊厳を突きつけられるように感じました。
袴田事件のことを知らない方も、1つの映画作品として深く味わって観ていただける映画だと思います。
袴田巖さんは今も拘禁反応を抱えながら、いまだ無罪になっていません。
映画作品を通して、袴田巖さんや冤罪のことを多くの方に知っていただきたいと思いました。
ドキュメンタリー映画『袴田巖 夢の間の世の中』
【多摩地域巡回上映ツアー】
9月17日(土)武蔵野市
9月24日(土)小金井市
9月25日(日) 清瀬市
9月30日(金) 多摩市
10月15日(土) 立川市
10月29日(土)八王子市
11月11日(金) 調布市
11月12日(土)西東京市
11月19日(土)小平市
他の地域でも自主上映されます。
10月22日(土)福岡県北九州市
詳細はこちらをご覧ください。
http://www.hakamada-movie.com/schedule/
今日は、袴田事件再審についての3者協議(弁護団、裁判所、検察による協議)の日です。
12時10分から東京高裁前で袴田事件の宣伝行動があり、東京高裁と東京高検への要請もありますので、参加してこようと思います。