Naoko Life Diary

佐々木奈緒子のブログです。日々のこと、社会について気になることを綴っていきます。

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袴田事件 救援要請書ご協力のお願い!

 冤罪被害者・袴田巖[はかまた いわお]さんについては、ニュース等でご存知の方も多いと思いますが、詳しい事件の詳細まではご存知ない方も多いのではないでしょうか。

 元プロボクサーの袴田さんは強盗殺人等の罪に問われ、警察による人権無視の取調べの末自白させられましたが、その後一貫して無実を主張。しかし、不公正な裁判により死刑が確定し、いつ死刑執行がなされるかわからないという想像を絶する不安や苦しみを、48年も獄中で味わい、自由を奪われ続けました。

 2014年に再審が決定し、釈放されたことは大きなニュースとなりましたが、2年以上経った現在に至っても再審は開始されておらず、未だ無罪となっていません。

 最悪の場合、再審請求が取り消され、死刑囚として再び収監される可能性すらあります。

 

 事件の概要についてご紹介します。

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袴田事件

 1966年6月30日、静岡県清水市(現在は静岡市清水区)の味噌会社の専務一家4人が殺害、放火された事件。元プロボクサーで、味噌会社「こがね味噌」の従業員だった袴田巖さんが強盗殺人などの疑いで逮捕、起訴され、19日に渡る過酷な取調べの末、朦朧とした状態となり警察の筋書き通りに無理やり自白させられた。

 警察は袴田さんにアリバイがなかったこと、事件後左手中指に負傷していたこと(実際には消火活動によって負傷)、そして特に元プロボクサーであったことなどから、袴田さんが犯人だと決めつけた。

 しかし、実は袴田さんには完璧なアリバイがあり、事件当時、袴田さんの同僚が袴田さんのアリバイを供述していたのにも関わらず、検察は袴田さんが犯人であるかのような供述に捏造していたことが2013年11月に発覚している。

 袴田さんは裁判で無罪を主張したが、一審の公判中である1967年8月31日(事件から1年2ヶ月経過)、工場内の醸造用味噌タンクから血液が付着した5点の衣類(ズボン、ステテコ、緑色ブリーフ、スポーツシャツ、半袖シャツ)が発見された。「自白」では、犯行時パジャマを着用していたとされ、検察も当初は犯行着衣をパジャマと主張していたが、5点の衣類が犯行着衣であると主張を変更した。

 裁判所は5点の衣類が殺害行為の際の犯行着衣と認定し、それが決定的な証拠であるとして、死刑判決を言い渡した。

 しかし、5点の衣類のうちのズボンは、原審から袴田さんには小さ過ぎて履けないことが明らかであり、実際に装着実験もし、写真にも証拠が残されている。袴田さんは無実を晴らすため、このために自らの意志で痩せて現役プロボクサーさながらの体形で装着実験に臨んでいた。

 1980年に上告が棄却され死刑が確定。1981年、静岡地裁に再審を申し立てたが1994年に棄却。東京高裁における即時抗告審も2004年に棄却された。弁護団は同年9月に特別抗告を申立てたが2008年に最高裁が棄却。

 同年4月、弁護団による第2次再審請求で、静岡地裁は5点の衣類と被害者らの着衣についてDNA鑑定を行い、確定(死刑)判決の根拠とされた5点の衣類が袴田さんのものでないことが明らかとなった。

 また検察側は、ズボンのサイズについて「タグの『B』の文字は84センチの『B4』サイズの意」などと言い張り、確定判決でもその通り認定されていたが、「B」は「色を示す」ものだったことが証拠開示で明らかとなった。

 そして、5点の衣類や重要な証拠が捜査機関によってねつ造された疑いがあり、「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」に該当するとして、静岡地裁は2014年3月27日に再審と、死刑の執行停止・拘置の停止も併せて決定し、袴田さんは48年ぶりに釈放された。

 しかし、検察側が即時抗告し、現在も再審が開始されておらず、袴田さんは未だ「確定死刑囚」のままである。東京高裁は、再審開始決定に大きな影響を与えたDNA鑑定について、検察の主張に沿った無意味な検証実験を行うことを決定した。現在、三者協議(弁護団、裁判所、検察による協議)が進められているが、最悪の場合、再審請求が取り消され、死刑囚として再び収監される可能性もある。

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 袴田事件については現在、弁護団、裁判所、検察による三者協議が約1ヶ月おきぐらいに開かれていますが、裁判所が検察よりの見方をしているため、なかなか再審が開始されません。

 次回の三者協議は、7月8日です。

 弁護団が申請した元警察官2名の証人尋問を実現されれば、警察の証拠のねつ造の実態がなお一層明らかにされます。

 元警察官2名のうち、一人は事件直後に味噌工場のタンクをはじめ最初の家宅捜査に参加した警察官で、もう一人は、5点の衣類が発見された直後、袴田さんの実家の家宅捜査に参加し、5点の衣類のズボンの端布(共切れ)を発見した警察官、とのこと。

 この証人尋問実現のために、是非、東京高裁への要請ハガキを送ってください!

 下の画像を右クリックして、ダウンロードしてください。ハガキへの印刷が難しい方は、手書きで書いていただいても大丈夫です。

 急ですが、7月8日の三者協議に間に合うよう、7月5日までに投函をお願いします。

 袴田巖さんは、現在80歳。

 一刻も早く再審を開始し、無罪を勝ち取るために、ご協力をお願いいたします。

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